Works of Akio Hizume
日詰明男 Akio Hizume
1960年長野県生れ。京都工芸繊維大学工学部建築家卒業。建築家。
設計作品に「 GOETHEANUM 3 」、著書に「生命と建築」(私家版)がある。日ごろ造形に取り組む かたわら、有形無形を問わず、身のまわりにある形式の猟渉に余念がない。最近は 魅力的な素材として「竹の生態」にも惚れ込んでいる。現在は群馬県在住。
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1.「五勾(ごまがり)」
(c)1990 Akio HIZUME

人は今まで丸や三角や四角のものばかり作ってきました。ところがこの籠はいたる ところ五角形で編まれていることに注目してください。この籠目のデザインは徹頭 徹尾黄金比に支配されています。人類が火を使いはじめた頃から籠も作られ続けて いますが、未だかつてこのように編んだ人はいません。しばらく眺めていると、い ろいろなパターンが見えてきて飽きません。実際に竹などで編むと、とてもねばり 強い籠ができます。この籠はペンローズ格子の法則に従っており、原理的に無限の 平面を編みあげることができます。その「繰り返しがなく、かといってでたらめで もない自己相似図形」という性質は「準周期」と呼ばれ、フラクタル幾何学と密接 な関係があります。特に「黄金比」はもっともシンプルなフラクタル構造と位置づ けられます。

 STAR CAGE 星籠(ほしかご)  SCIENCE TOY「STAR CAGE #5」